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第6回
特別編−スキンへッドの男
「いや、ホームページの裁判のヤツおもしろいよね。
今度さ、オレも傍聴連れてってよ」
2000年9月に発売になる単行本の
打ち合わせで
今や週刊アスキーの連載を持つ
世界の
電撃ネットワークのギュウゾウ氏は
こういいました。
後日、傍聴に行く日を、と伝えると
「ああ、いくいく」
とエクスタシーのような返事。
「でもね、地味な格好してこなきゃダメだよ。
ただでさえ目立つんだから」
「大丈夫、大丈夫。地味、地味」
タレントさんというのは、とにかく目立つわけです。
目立つのが仕事ゆえに、
しかたがないのですが、
裁判所で目立っても仕方がない。
当日は裁判所側に
電撃傍聴の情報が漏れていたのか、
普段はやっていない手荷物検査をしておりました。
(実際には麻原の裁判があったようです)
大丈夫かな、と思いつつ先に裁判所のなかで待っていると
ギュウゾウ氏から携帯に。
「今さ、裁判所の前まで来たんだけど……」
「じゃあ、そのまま一般の入口から入って。
なんでか知らないけど、今日は手荷物検査してるからね」
所内の喫煙所から、
裁判所に入ってくる彼を
ガラス越しに見ていると
深めに帽子をかぶり、
紫色の吊り目サングラス、
紺色のTシャツの胸のあたりには
遠目から見ると日の丸
(よく見たら違ったが)
らしきデザイン。
(ああ、地味っていったのに)
正統派の不良系ファッション。
しかし、彼にとってはこれが最も地味な
服装だったようです。
入口では空港にあるような
検査器で手荷物をチェック。
すると、早速
「ピンポン」
とチャイムをならすギュウゾウ氏。
彼が所有しているキーホルダーには
アーミーナイフがついおり、
むろん一時没収。
だが、入場を拒絶されることもなく
ついに裁判所デビューを果たしました。
裁判所のなかでは
大声で話している人はいないので
目配せだけで、
エレベーターに乗りこみ
ひっそりと向かったのは419号法廷。
広く、椅子が映画館のような法廷です。
罪名は強制わいせつ。
裁判が始まる前のシーンとした静けさに
彼は耐えられるだろうか?
法廷内は私語禁止。
ググ−ッと彼の腹が鳴る。
(おお、頑張るという意味か)
裁判が始まると、
いきなり裁判所の職員から
脱帽をうながされる。
素直に従うギュウゾウ氏。
飛び出したのは
やや髪の伸びた坊主。
でも、十分にスキンへッドの迫力アリ。
本人は気がついていなかったと思いますが、
後ろにいたオジサンは
目が点になっておりました。
そのオジサンの驚きの表情を見て
猛烈に笑いがこみ上げてきたのですが我慢。
ここで笑ったら、ワタクシが退廷です。
裁判事体は情状証人の人数でもめて
遅々として進まず、
1回で求刑までいかない内容。
内容的にはごくごく普通。
「どうだった?あまり面白くなかったね」
「いやいや、面白かったよ」
(彼は見かけと違い、
気配りの人間なのです)
帰り際、エレベーター内にいた若いカップルに
「あなた達は学生さん?」
と声をかけるギュウゾウ氏。
「い、いや、学生じゃありません」
彼女をかばうようにしながら
とビビリながら答える男性。
ギュウゾウさん、
自分じゃわからないかもしれないけど、
普通の人から見たら、
きっと怖かったんだと思う。
裁判所の傍聴席にはない、
被告席特有の
迫力あるオーラが出てました。
でも、また、裁判所で会おう。