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第21回公判
男はつらいよ
あまり報道はされませんが、
ここの最近は、毎日のようにオウム麻原の
裁判をやっているようです。
これが、遅々として進まない。
誰にでも公平に裁判を受ける権利
があるといっても……ねぇ。
このままだと判決が出るまでに
あと5年、いや10年。
事件がすっかり風化したころに
地裁判決が出て、当然のように上告。
で、最高裁まで行ったとしたら……。
そう考えると怖いですね。
麻原の罪状は当日の裁判の予定表には殺人等
と書かれています。
新聞などでは毎日のように
殺人事件が起こっていますが、
実は意外なほど少ないのが殺人の裁判。
やはり、人が人を殺す、という
行為はよほどのことなわけです。
ゆえに、殺人の裁判がある場合は
どんなに「お、これは凄いかも」
と思われる、
強制わいせつや強姦、
わいせつ図画陳列などが
あっても、できるだけ
殺人事件を優先して傍聴するように
心がけています。
やはり、わいせつ犯の気持は
男として
理解できます。
特に、陽気が良くなって薄着というか
裸に近いような格好で街を闊歩する
ギャルを見て、
「触ったろか!」
なんて思う気持はわからなくはない。
(つまり、わかる)
しかし、殺人者の気持は
想像が難しい。
人間はどんな状況に追い込まれると
人を殺そうと考えるのでしょう。
先日傍聴したのは
殺人未遂罪でした。
(zakzakの追跡・法廷ファイル
で既に執筆済み。詳しくはそちらを)
母親が離婚後の精神的ストレス
等から実の娘を絞殺しようとした、
という内容。
被告人は
どちらかと言えば人の良さそうな、
上品そうな雰囲気のある
おばさんでした。
有名私立大学を卒業して
大手企業に秘書として採用された経歴あり。
若い頃は美人だったかも、と思わせる
顔立ち。
無論、別れた旦那さんや、
絞め殺そうとした実娘など、
元家族、肉親の情状証人はなく
証人として出廷したのは
趣味のペットを通して知合った
友人の中年男性でした。
ふたりは青春漫画のように、
犬の散歩の途中に知合い。
以後、出会えば話をする関係に。
おいおい、離婚のストレスなんていいながら
奥さん、男いたんじゃない、
と思ったのですが、
どうやらそういう関係ではなかったようです。
このおばさん、離婚に際して
1000万円の慰謝料を受け取っているのですが、
それらを旅行やら飲食で使いまくり
約1年で散財。
それ以降は実家からの借金などで
生活をしていたそうです。
そして、この友人男性にもお金を借りたり、
また、保証人になってもらったり、
公共料金の支払いができなくて
払ってもらったりしていたそうです。
逮捕後は
肉親、家族とも面会に行かないのに
この男性は週に3回も
拘置所に行っていたとか。
さらには、今後の就職の世話なども
率先してやっているんですね。
やはり、この中年男性は
被告のおばさんに
好意を持っていたのでしょう。
検察側からの質問で、
「今後どうするつもりですか?」
「はい。彼女のことは一生面倒みるつもりです」
「それは、結婚するという意味ですか」
「自分的にはそういう将来まで考えています」
ドラマチックな
法廷プロポーズです。
とろこが被告人の質問で
おばさんは無情にも
「○○さんはあくまでも友人です」
「結婚は考えられません」
ときっぱり。
ワタクシはその中年男性のそばに
座っていたのですが
発言直後の彼の表情は印象的でした。
(ああ、男とはフラれたときに
こういう顔をするものだ)
齢50に届きそうな男性でしたが
微かに震えて、目に涙。
「ねるとん」やら「鹿島の春、再び」
なんぞ、甘いな、
所詮、テレビはつくりもんや、と。
結審して、再び手錠、腰縄で退廷していく
おばさんを無言で見つめる中年男性。
(俺はいつまでも待っている!)
彼の心のなかの無言の叫びを
ワタクシは聴くことができました。
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