雑文魂(C)しまはるよし


第25回法廷

礼儀正しき被告人

 11月2日、いしだ壱也被告の判決が出たようです。
ニュース記事

懲役1年6月、執行猶予3年。
大麻だけなら懲役6ヶ月で、
執行猶予も1年程度だったのでしょうが
麻薬取締法違反もついたので、
執行猶予が3年になった感じですね。

麻雀で言えば、役がついて
1ハンUPという感じですが、

妥当といえば妥当な判決。


薬系の裁判だと
所持量の多さとか、使用方法、
あと他にばら撒く(売る、譲渡)と罪が重くなるのですが、
単なる使用だけなら
どんなヤツでも初犯であれば
この程度の判決です。


(こいつ、お薬大好き人間だろう。
本当は売人なんじゃねぇか)
と思うヤツでも
法廷でバレなきゃ同じ。


疑わしきは罰せず、と
いいますが本当に罰しません。


テレビでもいしだ被告に関しては
その表情を見たのですが
丸刈り坊主で非常に反省した顔をしておりました。


そして、礼儀正しく裁判後に傍聴席に向かって
「ご迷惑をおかけしました」
と頭を下げたとか。


裁判では、被告人の反省度合いと申しましょうか、
礼儀正しさ、言葉遣いの丁寧さなども
重要な心象になるため
誰もが、礼儀正しくなります。


どんなツッパリでも
やたらと頭を下げますし、
丁寧な言葉を使ったりします。


まあ、これまでいろいろな
似非礼儀正しさを見たのですが、
先日傍聴した被告人はナイスでした。


罪状は恐喝。


時間が空いたので、たまには
リアルな極○でも鑑賞して
飲み屋の話題のひとつにでもなれば、
と思い選んだ裁判でした。


ところが、出てきた被告人は
中学生じゃねぇか?
と思うほど童顔。


頭を丸坊主にして
いじめられッコの子供がかけているような
分厚い眼鏡をかけています。


裁判長の前に立つと
指先までピチッと伸ばして
直立不動。


身体をカクカクカクと
折り曲げるように
鋭角に頭を下げます。


「名前は?」

「ハイ、自分は○○○○です!」

「本籍は?」

「ハイ、○○○県○○市○○、大字○○、字○○!」


まるで軍隊のように言うのです。


彼は某右○団体の構成員でした。


罪状的には些細なことで
会社員に言いがかりをつけ
「おら、街宣まわすぞ、こら!上を出せ、上を」
とやったそうです。


「こういう場合の相場は片手だ」
と相手の上司に言い放ち、
相手が5万円入りの封筒を差し出すと
「ナメてんのか、おら、普通は50だろ!」
と凄む。


ところが、このご時勢で生活は苦しく
その5万円を持ち帰ったそう。


その件に関しては
被害届が出ていなかったのですが、
調子にのって
他でも
「おら、街宣まわすぞ、こら」
とやり、パクられたそう。


冒頭陳述などから感じる
男のイメージはバリバリイケイケの
凶暴な男を想像してしまうのですが、
見かけも裁判での言動も
非常に真面目な雰囲気。


「日本という国の行く末を
考えるあまり、この思想に傾倒したのですが、
今回、このようなことを起こしてしまい、
もはや、政治的活動をする資格がなくなったと
感じ入っております!」


今後は右○活動から足を洗い、
右○団体からも抜け
普通の生活を送る、
と宣言。


今後は、思想そのものを持たない、
とまで言っておりました。


言葉遣いや礼儀正しさから
反省している感じも伝わり、
なかなかの好印象。


体育会系の人間が好きな
裁判長なら少し軽くなりそうな気配でした。



情状証人は妻。


情状のポイントは3歳と5歳になる
ふたりの子供(男のコ)が
どちらも病気がち。

さらに、
今、ご主人(被告人)が刑務所に
入ってしまうと生活が立ち行かなくなる、
ということでした。


裁判長は子供の様子などを
詳しく奥さんから聞きだし、
今後、被告人の行動を監督できるか否か
を聞いておりました。


一応、奪った5万円も相手に弁済し謝罪。

流れは、被告人に有利に動いて
いるように見えたのです。





再度、被告人質問となり、
裁判長が子供の名前を尋ねると、










「ハイ、大和に武蔵であります!」





形勢再度、大逆転。


思想は捨てられません。






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