雑文魂(C)しまはるよし


第27回法廷
頑張れ! って……

最近、すっかり更新できなくて
ごめんなさい。

というより、このコラムもさすがに飽きて
きたんじゃないかと思うわけです。

最初は痴漢犯罪程度でも
(おお、こいつか!こいつが女子高校生の股間を
指で弄びやがったのか!)
などとドキドキしている自分もいたのですが、
2年近くも裁判所通いを続けていると
(おお!)と思うことすら稀。

覚せい剤犯が使う薬の量が
次第に増えていくのと同様に
ちょっとやそっとのことでは刺激を感じなく
なってきているのですな。

そして、行われている裁判も同じようなものばかり。

不法滞在と、窃盗と、詐欺と
覚せい剤、横領。

外国人の犯罪が多くて、通訳が入るために
遅々として進まないものも多いのです。

そんななかで、ある種の刺激を感じて
しまうのは、いわゆるその筋の人たちが
起こした犯罪でしょうか。

先日、判決を傍聴したのは
ワタクシの地元でもある繁華街Iで起こった
暴行傷害事件でした。

被告人は20歳。
見た目は
いわゆる不良っぽい感じの若者でした。
ところが、既に◎◎団に所属しており、
日々、Iの街で
ケンカに明け暮れていたようです。

事件の概要は
「目が合った」という理由だけで
サラリーマンを共謀者(不明)とボコボコにし、
頭蓋骨が陥没するような怪我を追わせたそう。
(怖い)。

こういう人の場合、共犯者のことを
絶対に言わないのですねぇ。

◎◎団の仕事での犯罪ではないのですが、
今回の場合、よほど有望な若者だったのでしょう、
傍聴席にはお仲間の皆さんが大勢詰め掛けておられました。

イマドキ珍しいどっから見ても
その筋の方とわかる色とりどりのスーツ。

裁判長が判決を読み上げている間も携帯が2度鳴り、
そのたびに廷吏から注意をされている状態です。

そのなかに交じり、じぃ〜っと静かに聞き入るワタクシ。

結局、判決は
執行猶予も付かず、懲役5年。


(やったことは犯罪だけど、20歳から25歳までの
一番イイ時期をこいつは塀のなかで過ごすのか)
と思っていると、

ワタクシの背後で

「おお、修行や修行。いい修行になるで!」
と発言する上役とみわれる光るスーツの男性。

すぐさま「静粛に!」「発言した者、退廷しないさい!」
と厳しい裁判長。

廷吏がすっとんでくる前にスクっと立ちあがり
「頑張れよ!」
と言い残し、退廷。

判決の言い渡しが終わり閉廷した瞬間に、残っていた人たちも
一斉に「頑張れよ!」「身体に気をつけろ!」
「元気でな!」と声援。

(こいつら頭蓋骨陥没させた被害者のこと
なんかなんとも思ってないんだ……)

非常に怖く、というかある種の憤りを感じました。

むっ、とした顔をしていると
いきなり、肩をポンポンと叩かれ、
驚いて振り向くと
(あ、人違い)という顔をした◎◎団らしき男性。



「一緒に来た仲間と間違えるなよ!
てめぇ、ぶっ飛ばされてぇのか、おおっ!
このクズ野郎どもがァ!
てめぇら全員、世の中から消えろ!」






とは言えなくて、
(いえ、いいんですよ)
という表情を咄嗟に浮かべてました。

だって、スキンヘッドだったんもん。




第28回法廷


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